【S33使用構築】ラキバドザシ結【最終16位】
今回はS33にて使用した構築の解説記事となります。
今期は過去2シーズンと同じバドザシサンダーランドラキヌオーの6体で最終日を戦い、最終16位と(自分の中では)高順位をとることができました。
この軸を使い始めてからの3シーズンは安定して結果を残すことができており、かなり煮詰めることができたと感じています。
このルール最終シーズンということで需要はあまりないかもしれないですが、その分これまでの考察をしっかり言語化したつもりなので、ぜひお目通しいただければと思います。
環境認識
伝説2体ルールも7ヶ月目となり、当然ながらかなり環境が煮詰まっていた。あえて言語化・具体化すると、
(1)いろいろな伝説の組み合わせが開拓されたこともあり、様々なアーキタイプとマッチングする(特定のアーキタイプとばかりマッチングするわけではない)。
(2)目新しい動きをされることはかなり少なくなり、選出段階で相手の6体を見るだけで、ある程度試合展開は意識することができる。裏を返せば、それは相手も同じであり、再戦が非常に多いことも相まって、基本的にはこちらの動きは想定されていることが多い。
という状況だったと考えていた。
その中でもザシバドとザシオーガについては、それ専用の対策が必須であることもあり、他のアーキタイプよりは母数が多いという認識だった。
このような環境において勝つために求められることは
強い汎用選出を構築内に採れ入れ、それを誰よりもうまく扱うこと(選出・プレイングの練度を高めること)
だと考えた。
そこで、S31で自分が使用していて、選出の汎用性・ごまかし性能が高いと感じていた「ラッキーザシアンバドレックス」を引き続き軸として使用し、
ザシバドとザシオーガについては、より勝率を上げることができる選出を構築に組み込むことを意識して構築を作成した。
構築の要点
ラッキーザシアンバドレックスの基本選出
S31の構築記事にて解説しているが、補足してこの軸の強みを掘り下げておきたい。
動きの基本はステルスロック+ザシバドの強烈なアタッカー2本を通すというものであるが、ステルスロック撒きをラッキーという受けポケモンにすることで、機械的にステルスロック撒きを先発で選出する必要性がなくなる。これには次のようなメリットがある。
例えば、こちらの初手がバドレックス、相手の初手がサンダーであるようなケースを考える。
相手の行動はダイマックスをきらないと対面バドレックスに勝てないため、サンダーがダイマックスするか、バドレックス受け(例えばポリゴン2)に引くの2パターンになることが想定される。
この2パターンに対してこちらのラッキー引きは両対応ができているため、安全なステルスロック展開がほとんど保証されており、加えて相手のダイマックス枯らし等の更なるアドバンテージの獲得の可能性まである。
ザシアンとバドレックスの強烈な攻撃性能による対面操作から、ラッキー展開を行なっていく。
これがエースバーン等の一部きついポケモンを除けば汎用的に選出ができ、上振れ性能等もあってどんな構築に対してもある程度の勝率を見込むことができた。
このコンセプトを実現するためにザシアンとバドレックスはこの基本選出と一番シナジーする型になるようにした。
HBサンダーを軸にした受け攻めスイッチ選出
S31の構築記事では詳細に触れていなかったが、この構築におけるHBサンダーは
この構築で最も強いポケモンであった。
サンダー自身の性能も相まって、ザシアンバドレックスランドロスの攻めとラッキーヌオーの受けを繋ぐ重要なスイッチとしての役割を高い次元で果たした。
ザシバドとザシオーガにはサンダーを絡めた「受け2攻め1」の選出で安定した試合運びを行うことができ、特にザシオーガには高い勝率を残すことができた。
上記2点により、
ザシバドとザシオーガにはサンダーを絡めた「受け2攻め1」の選出で勝率8割ほど、
それ以外にはラッキー展開で勝率6割ほど
トータルで7割くらい勝率が出せるんじゃないかという仮説に基づき、構築を完成させた(実際はそこまでうまくいかなかった)。
単体解説
バドレックス(黒馬上)@こだわりスカーフ
性格:控えめ
特性:神馬一体
努力値:191(124)-×-126(204)-204(4)-121(4)-192(172)
技構成:アストラルビット/サイコショック/ドレインキッス/トリック
【個体解説】
・調整は変更なし。ミラー意識で、ザシアンに対する性能を維持したうえで可能な限りSラインを上げている。
・「動きの柔軟性」を体現したようなスペック。試合展開に応じて、崩し/ストッパー/スイープ全ての役割をこなす。
・ドレインキッスはダイフェアリーが相手の状態異常を絡めた展開を拒否する技として優秀すぎたので、ラッキーザシアンバドレックスを汎用的な並びとするために必須。
・いななきとアストラルビットの高火力のおかげで場を整えれば強気に先行ダイマックスできるのもプレイングがわかりやすいという側面で非常に優秀。
ザシアン@くちたけん
性格:いじっぱり
特性:ふとうのけん
努力値:199(252)-213(28)-141(44)-×-136(4)-191(180)
【個体解説】
・こちらも調整はミラー意識で早めの調整。相手のスカーフバドレックスがトリックした後に、その素早さラインまで抜けていることが多かったので、相手のバドレックスがこちらのラッキー処理のために、スカーフをトリックしてしまうとこちらのザシアンの一貫ができてしまう展開がそれなりにあり、有用な調整だった。
・真の抜きエース。剣舞をもったこのポケモンを安定して受けることヌオー・ヌケニン以外ではほとんど存在しない。氷の牙はHBサンダーやランドロスで止まらないために必須であった。
・ステルスロックを撒くことでメタモンとの役割関係が逆転するこの調整はどこまで行っても有用で、この構築の大きな勝ち筋の一つになっていた。
ラッキー@しんかのきせき
性格:のんき
特性:自然回復
努力値:357(252)-25-62(252)-55-126(4)-49
技構成:うたう/卵産み/ステルスロック/こごえるかぜ
【個体解説】
・特殊受けとして汎用性がありながらステルスロックを撒ける唯一無二の性能。新環境になってもこのポケモンにしかできない性能をもっているため、一定の使用率は保たれるのではないかと思う。
・今回はミラーで有利をとるためにこごえるかぜを採用。先に数的有利をとってしまうことができれば、裏にラッキーとザシアン(バドレックス)を残しておくことで相手のバドレックスが襷であっても全抜きを咎めることができるので、ミラーで最強の技だった。
シャドーボールではラッキーにダイマックスを使わないと襷バドレックスに対面で勝つことができないため、ラッキーにダイマックスを残さなければいけない点が使いづらかったため、個人的にはこごえるかぜでよかったと思う。
ヌオー@たべのこし
性格:慎重
特性:貯水
努力値:202(252)-105-108(20)-×-126(236)-55
技構成:地震/毒毒/欠伸/自己再生
【個体解説】
・今回はA特化ザシアンのじゃれつくを最高乱数切で耐える調整に変更した。
・今期のカイオーガはほとんど冷凍ビームかダイアタックから入ってきてしんどかった。釣りだしウーラオスの動きもかなり多く、型誤認によるアドバンテージは全くと言ってよいほどなかった。それでも、最低限欠伸を使えることもあって、プレイングでまきかえすことができたので、オーガ軸にはかなり高い勝率をあげることができた。ちなみに、HBカイオーガに対してもザシアンやバドレックスと併せることでほとんど勝つことができる。
サンダー@アッキのみ
性格:ずぶとい
特性:静電気
努力値:197(252)-×-150(252)-145-110-121(4)
技構成:放電/ぼうふう/電磁波/羽休め
【個体解説】
・ラッキーヌオーを崩すウーラオスに対して受け出し、でんじはによる麻痺でザシアンやランドロスのサポートを行い、場合によっては自身がダイジェットでエースとなっていく受け攻めスイッチを高い次元で成立させる怪鳥。
・最強のポケモンであるが、不確定要素の強いポケモンであった。イベルタルに対しても、このポケモンを絡めた選出を行なっていたが、ほうでんも絡めた30パーセントを何度も押し付けて、どれか引けば勝ちになるみたいなゲームが多く、そこで引けなくて負けという割り切りが相当数発生した。
ランドロス@いのちのたま
性格:ようき
努力値:165(4)-197(252)-110-×-100-157(252)
【個体解説】
・最強の珠アタッカー。このポケモンの完璧な受けはかなり難しく、剣舞択やダイマックス択で強引に全てを貫くことができる誤魔化し性能が高いポケモン。
・ホウオウがかなり重い構築になっているが、このポケモンで強引に択ゲーに持ち込み最低限の勝率を保ってくれた。
選出パターン
基本:
バドレックスやザシアンを先発させ、ラッキー引きから、攻撃的なステルスロック展開に移行する。
ザシバド:
サンダーとラッキーでサイクルをまわし、でんじはやステルスロックでザシアンの一貫を作る。
ザシオーガ:
サンダーとヌオーでサイクルをまわし、でんじはや欠伸、毒でザシアンの一貫を作る。
以上になります。
伝説2体ルールお疲れ様でした。